本の紹介/「南北朝鮮をどう読むか」北川広和著


 最近の共和国に対する日本のマスコミ報道は目に余るものがある。読者はタレ流される情報の中から、自ら真実か否かを見破る判断材料が必要となる。

 周辺の政治情勢や思惑などが複雑に絡み合う朝鮮問題の中から、とくに興味深い事柄を取り上げ、客観的に分析したのが本書だ。

 たとえば一部のマスコミと一部の政治家が持ち出している「少女拉致疑惑事件」の疑惑は、20年前の失踪事件を97年に入って共和国問題と結び付け、発表の時期を狙ったものだと指摘している。それは共和国への食糧支援を阻むためで、その根拠が「拉致疑惑事件」そのものの解決を目指すのではなく、「拉致国家に援助は不要」との世論作りに力を注いでいる点だと著者は指摘する。

 そのほかにも、新ガイドラインと朝鮮半島の関わりから、共和国が4者会談で「在韓米軍撤退」を持ち出した理由など興味深い事柄が根拠、資料をあげ緻密に分析されている。朝鮮問題に対する一方的な見方を正す意味でも一読を勧めたい。

定価=1900円、発行=緑風社、TEL 03−3812−9420


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