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北朝鮮人道支援の会 ニュ−ズレタ− NO.9

(朝鮮民主主義人民共和国)           編集・発行人 吉 田 康 彦
〒338-8570 浦和市下大久保255 埼玉大学「吉田研究室」気付
TEL:048-641-8203  FAX:048-647-6191  E-mail:yoshida@post.saitama-u.ac.jp
2001年1月1日       郵便振替番号:00140-4-126579  加入者名「北朝鮮人道支援の会」

好評を博した第2回チャリティー・コンサート

    ―800人聴衆を集めて大阪で開催

 2000年11月29日、大阪・森ノ宮ピロティホールで本会主催の第2回北朝鮮人道支援チャリティー・コンサートが開催され、元宝塚歌手・大湖かつらさんとオペラ歌手・久保和範さん(バリトン)の二人がシャンソン、カンツォーネ、日本と朝鮮の民謡を熱唱、会場を埋めた800人の聴衆を魅了した。

 土地柄から在日コリアンが多く、大湖さんは「クリウンクンガンサン」を、久保さんは「アリラン」を朝鮮語で唱い、最後に久保さんがアンコールに応えて祖国統一の悲願をこめた「ウリエソウォン」(われらの願い)に唱和するよう呼びかけ、歌声は大阪の夜空にこだました。

 開演に先立ってコンサート実行委員長の米田伸次氏(帝塚山学院大学国際理解研究所長)が挨拶、ユネスコ(国連教育科学文化機関)提唱の「平和の文化」国際年に南北首脳会談が開かれ、和解と協力の歩みの進む中で人道支援に立ち上がることの意義を強調した。

 続いて吉田康彦氏(北朝鮮人道支援の会代表)が「人道支援には国境はない。隣りの国、隣りの民族の苦境脱出に救いの手を差し延べるのが最も手近な人道支援だ。人道支援を通して相互理解と交流も進む。それを通して日朝国交正常化の世論を盛り上げたい」と訴えた。

 コンサートには各界から祝電・メッセージが寄せられ、会場で披露された。主な送り主は次の通り。村山富市元首相、(以下敬称略)野中広務、中山正暉(以上自民党)、伊藤英成、佐々木秀典(以上民主党)、土井たか子、清水澄子、辻元清美、田英夫(以上社民党)、その他、政界以外からは宇都宮恭三(宇都宮軍縮研究室)、槙枝元文(元総評議長)、小山内美江子、前田康博、塩見孝也、辛淑玉、木村三浩、朝鮮総連中央本部、民団本部・・とまさに南北両当事者、国内の左右両極から幅広い支援が寄せられた。

 コンサート純益は158万円に達した。これで食糧と医薬品を購入、今年3月に訪朝団を派遣して、北朝鮮当局と国連機関に寄贈する。詳細は次号以降で報告したい。

 本会主催のチャリティー・コンサート開催は2年前にさかのぼる。1998年9月に東京で開催を企画、チケット200枚を完売していたが、テポドン・ミサイル発射直後だったため、さまざまな妨害に遭遇、ついに開催前夜に中止決定に追い込まれた。

 しかし、この時の支援者を中心に翌99年4月、吉田康彦氏の呼びかけで「北朝鮮人道支援の会」が正式に結成され、同年8月、改めて第1回チャリティー・コンサートが東京・日暮里のサニーホールで開催された。これに全面協力したのが芸大教授・平野忠彦夫妻門下の久保和範さんで今回も同氏が39度の高熱をおして舞台に立ってくれた。紙面をかりて謝意を表したい。[相原実千子]

21世紀幕開けの今年こそ日朝国交正常化を

―突破口開いた南北和解/米朝・日朝追随へ

 米ソ冷戦終結後、10年以上経ったが、東アジアの冷戦構造はまだ解消していない。朝鮮の南北分断と中台対立がそれだが、昨年、朝鮮半島で急展開が見られた。

 これは金大中韓国大統領の「包容政策」の成果だが、金正日総書記(国防委員長)の決断も特記に値する。北朝鮮の経済悪化が「北」の政策転換に駆り立てたという皮相的観測が日本では多かったが、これは本質を見ていない。

 確かに北朝鮮経済は不振にあえぎ、インフラは疲弊し、度重なる自然災害で農業は停滞しているが、自力更生の努力は徐々に成果をあげていると見るべきであろう。南北首脳会談の意義は、何といっても朝鮮民族自身が主体的に自らの運命を切り開く決意を表明した点にある。

 しかし当面、北朝鮮に対する国際的支援は不可欠である。昨年も旱魃と台風の被害で推定180万トンの穀物不足が生じたと国連は推定しており、各国に援助を求めている。国民の栄養不足は深刻で、全土の子どもたちの60パーセント以上が栄養不良・栄養失調に陥っているとユニセフ(国連児童基金)は推測している。

 大規模食糧支援は政府が決断すれば簡単な話だ。日本は900万トン近い古米、古古米を抱えている。昨年10月の50万トン支援は、自民党農林族の圧力で、国際価格の10倍もする国産米をWFP(世界食糧計画)に買い上げさせ、その資金1000億円を日本政府がWFPに拠出したが、国交正常化が実現すれば直接の支援が可能となり、人民に感謝される度合いもはるかに大きい。

 日本は冷戦構造と南北分断の解消に少しでも協力すべきである。人道主義的支援としての医薬品、栄養食品、子どものための乳製品などが現地で効果を挙げ、感謝される。農業改善のための開発協力にNGOの経験が役立つ。

 南北和解と米朝急接近で、日本は一時バスに乗り遅れるのではないかと焦ったが、日朝国交正常化は再び遠のいた。

 日本は北朝鮮が要求する「過去の清算」では、北朝鮮を特定する謝罪表明を行なう点では譲歩したが、「補償」には応じられないとしている。韓国に対しても「補償」はせず「経済協力資金」供与でお茶を濁しているからだ。

 問題は「日本人拉致疑惑」で、これを棚上げし、国交正常化実現のあかつきに、多少とも解決の手がかりが得られればいいとしなければ、交渉は前進しないであろう。それには政治的決断が求められるが、森首相、河野外相には荷が重いだろう。結局、米朝国交正常化を待って「外圧」で動くことになろう。

 二年前、訪朝した時の朝鮮労働党幹部の言葉を思い出す。「日本には独自の朝鮮半島政策はない。あるのは北朝鮮敵視政策だけだ。日朝国交正常化は米朝の前には無理。アメリカを動かせば日本は動く」。情けない話だ。[吉田 康彦]


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